momo2994のブログ

5年7ヶ月にわたる小腸がんの闘病生活、最後は大好きな自宅で家族に見守られながら旅立った夫の闘病記です。

タバコを食べた!

12月4日

夜はよく寝ていました。
朝は早く起きていたのに何かボーっとしていました。

私は、お茶でも飲む?と聞くと
紅茶、というので、紅茶を入れると
少しずつ飲んでいましたが
何も言わず、考え込んでいるみたいでした。

すると、いきなり横の整理棚に手を伸ばし
タバコを掴んで口の中へ入れました。
私はビックリして

吐き出して、そんなもん食べたらアカン

と言いましたが夫は口を閉じたままでした。
私はむりやり口に手を入れて
出そうとしましたが
なかなか手が入りません
やっと手が入った時には
もう殆ど残ってませんでした。

夫は食べてしまいました。
夫のタバコはタバコではなく
タバコのように吸う、喉の薬の
ネオシーダーでしたが
それでも、そんな物食べていい筈がありません。

慌ててお茶を飲ませて
吐き出させようとしたのですが
夫はもう何も分からなくなって
虚ろな目をしていました。
 
気持ち悪いだろうと思いクッキーを食べさせると
魂の抜け殻みたいになった夫は
黙々と食べていました。紅茶も飲んでいました。

変な物を食べたので、どうかと思いましたが
胃ろうからの廃液にタバコのカスのような物が 
出て来ました。

その後は疲れたのか、ずっと寝ていました。
お昼過ぎになって、少し起きていたので

アイス、食べる?

と聞くと、うんと頷きました。
もうどこを見ているのか分からないので
小さなバニラアイスを手に持たせると
ユックリ口へ持って行き少しずつ食べていました。

アイスが溶けてきて
手がベトベトになっても構わず
何処か遠くを見ながら、1口、1口
ユックリ味わうように食べていました。

これが夫の最後に食べたものに
なってしまいました。

バニラアイス、
大好きだったものね照れ