momo2994のブログ

5年7ヶ月にわたる小腸がんの闘病生活、最後は大好きな自宅で家族に見守られながら旅立った夫の闘病記です。

好きだった競馬

11月26日

この日も胃ろうからの廃液は650ml、

足のパウチからも240mlと

身体からの廃液はそこそこ出ていましたが

気になるのは、尿量が減ってきた事でした。

色は益々濃くなり、1日2回しか出ませんでした。

腎臓も肝臓も弱っていたのだと思います。

 

それでもまだ、

少しずつ好きな物は食べていました。

朝  卵サンド ウインナー アイス

昼  ロールケーキ 果物

それ程食べていないのに

食べてから2~3時間後に、

この日は3度も嘔吐していました。

 

ウトウトしていたのですが

この日は競馬のジャパンカップがありました。

前の週のG1レースで、

夫は電話投票で買ったのですが

見事的中して喜んでいました。

この日もやってみようかなと言いましたが

もうニュースを見ても分からないし

新聞を読む事も出来なくなっていたのに

競馬の予想なんて出来るのかと

私は半信半疑で聞いていました。

 

夫はスポーツ新聞の競馬欄を熱心に見ていました。

そして何か新聞に書き込んでいました。

最後の競馬で夫が本命にした馬は

北島三郎さんの愛馬、キタサンブラックでした。

残念ながら3着になってしまい、馬番連勝で

買った夫は外しましたが、

1~4着は夫が新聞に記しを書き込んだ

馬が占めていました。

 

ちゃんとまだ考える事は出来たみたいでした。

好きな競馬をした事が

夫の頭をハッキリさせてくれました。

 

夕方看護師さんが来た時は

ゲームをしていたのですが

看護師さんの顔を見ると、

足をマッサージして欲しいと自分で頼み

何か看護師さんと話していました。

 

前の日には私が何を話しかけても

何処か遠くをみていたのに…

夫にキスをしてもらった後

次の日から夫に愛していると言っても

もう分かっていたのか、分からなかったのか

返事もろくにしてくれなくなったのに…

 

良い時と悪い時が交互に来るような

そんな毎日でした。