弱っていく夫
夫は自分が作れるもので、孫達が喜んでくれそうな物をピックアップして、その材料を私が買いに行ってました。
ありふれた物が嫌いな夫は、本やテレビを参考にして少し変わったものを作っていました。
前から作っていた果物や野菜ジュースの入ったカレーもそうですが、ハンバーグや唐揚げ、手打ちうどんやラーメンまで作っていました。
スープやうどんつゆも自分で出しからとってやっていました。
私は看護師さんの来る日が週2回になったので、その後の日は点滴や胃ろうの管理、廃液の量を測って処理したりしながら、買い物や後片付け、夫の毎日飲む野菜ジュースやスープ作りと、毎日忙しくて弱っていく夫を見ても泣いている隙はありませんでした。
じっとしているのが嫌いな夫は、いくら弱っても大人しく寝ていることはありませんでした。
体重40kgそこそこで動くものですから、やはり疲れが酷くてまた点滴を増やして欲しいと、看護師さんに頼んでいました。そしてとうとう2000mlまで増やす事になりました。
いくら点滴を増やすとがんの進行が早くなると言っても、動けなくなる方が嫌だと言って聞きませんでした。