普通の幸せ
平成28年は、夫にとっても体調が良く、孫たちとの触れ合
いや、気になっていた不用品の整理や大掃除も出来、満足
な一年間だったと思います。
夫の努力もあったでしょうが、進行の早い腹膜播種が、
1年間大きくならなかったのは、奇跡の様な事だったと思い
ます。
3度の大きな手術を乗り越え、ボロボロになっていた身体で
ここ迄頑張って来てくれたことには、今からでも感謝して
もしきれません。
あの頃の元気な夫は、それ迄の人生でやり残した事を一生
懸命していたのだと思います。
夫にとっての幸せとは、普通の生活を送れるという事だっ
たと思います。
私とのおしゃべり、一緒に買い物に行ったり、競馬をした
り、孫たちと遊んだり、人から見ればなんだそんなものと
思われるかも知れません。でも私には、夫の考えていた事
や気持ちが、手にとる様に分かります。
私は夫が働けなくなった時に、自分が昼間働こうとは思い
ませんでした。自尊心の強い夫を一人家に残して、その代
わりに私が働いて生活費を稼ぐなんて、そんな事考えた事
もありませんでした。生活は苦しくても、仕事が出来なく
て落ち込む事が無い様に、少しでも一緒にいて夫の辛さを
分かってあげたいから、身体を楽にしてあげたいから、
13年間二人で新聞配達を続けて来ました。
そして昼間はずっと一緒にいて、何でも話し合い、お互い
の心は通じ合ってたと確信しています。