momo2994のブログ

5年7ヶ月にわたる小腸がんの闘病生活、最後は大好きな自宅で家族に見守られながら旅立った夫の闘病記です。

腸の穴は塞げない

夫を何とか説得して入院する事になりました。

個室を用意して貰い、次女が持って来てくれた低反発マットレスもベッドに敷いて貰いました。

 

もう時間も遅く、折りたたみベッドも持って来ていないので、娘は家へ帰りました。

 

私はそのまま、夫の部屋に椅子を並べて少しだけ横になりました。

 

もう夫を一人にする事は出来なくなっていたので、夫がいつも大きなカバンを提げて配っていたマンションは辞めていました。

 

娘と交代で新聞を配れるので、3時頃までは休む事は出来ましたが、やはり先生に言われた事が気になって寝られませんでした。

 

夫は疲れたのか良く寝ており、その間に私と娘は交代で配達を済ますことが出来、私が終わると娘は家に帰りました。

 

次の日M先生から話がありました。

その時に延命治療を望むかと言うような書類を持って来ていました。

 

私は、ああもう最期が近いのだと思うと、何とも言えない気持ちになりました。

 

M先生は入院の一週間前に、救急外来で診てくれたI先生も連れて来ていました。

 

若い先生でしたがとても優しく、それからずっと夫を診てくれ、最後の主治医になってくれました。

 

M先生は腸に穴が空いているが、もう穴を塞ぐ事は出来ないと言われました。

 

穴から漏れてくる腸液が、太腿から膝辺り迄溜まっていて腫れている、腫れをとるにはお腹からチューブを入れて、足に溜まった液を外に出すしか無いと言われました。

 

そして、それでも確実に歩けるとは限らないし、退院は難しいと言いました。

 

夫は痛いのはもう嫌だから家へ帰ると言いましたが、先生はこのままでは退院は無理ですと言いました。

 

それからも夫は痛いのは嫌だ、家へ帰ると繰り返していましたが、先生はよく考えて下さいと言われ、帰って行きました。