momo2994のブログ

5年7ヶ月にわたる小腸がんの闘病生活、最後は大好きな自宅で家族に見守られながら旅立った夫の闘病記です。

あと数日か1週間かも知れない…

退院の日、若い主治医のI先生が、私を夫の部屋の外へ呼び出しました。

 

そして目を潤ませながら、ご主人肝臓の機能が悪く黄疸も出ていて、大変危険な状態です。帰られたとしても後数日か1週間くらいだと思います、残念ですがと言われました。

 

とうとう恐れていた日が来てしまいました。いつか言わるるだろうと覚悟はしていたつもりでした。

 

不思議に涙は出ませんでした。

もう色んな事が入院中にあり、ストレスが一杯で私も悲しいとかそういう感情が、あまり無かったように思います。

 

私は先生に分かりましたと言いました。その時の先生の悲しそうな顔、忘れることが出来ません。

 

夫を迎えに早くから来て待ってくれていた夫の兄に、先生の言われた事を言いました。兄はそうか、分かったと言ってくれましたが、その時のショックは相当だったと思います。

 

いくら夫が自分はいつ死んでもいい、死ぬのなんか怖く無いと言ってても、いざ数日と言われるととても夫には言えませんでした。

 

夫も段々と弱って来る自分の身体、歩けなくなり遂に腸に穴まであき、残り少なくなった自分の命は当然分かっていたと思います。

 

私は何も改めてその事には、触れないようにしていました。